今回は杭ズレについて振り返るよ
現場にて墨出しを間違えて、全数杭が一方向にずれてしまった。
この場合、構造的に問題ないかの要点を教えて欲しい
下図を見るとX方向に200ずれているのが分かる。
WRC構造の壁芯と杭芯が同一軸上であれば問題ないが。
今回のようにズレてしまうと、ズレによる「偏芯力」が発生する。
※偏心曲げMという
この偏心Mはどういう影響を与えるの?
偏心はフーチングに発生する回転力で、この回転力を建物本体に伝達して処理している。
※このことを「曲げ戻し」という。
曲げ戻しを負担する部材は、フーチングとつながっている基礎梁になる。
なるほど。
つまり、杭芯ズレによって回転力が発生して地梁へ影響があるってことだ。
なんとなくのイメージだけど、杭がズレてしまうと検討結果が厳しくなるイメージだけど
実際はどうなの?
ケースバイケースだから言い切れないけど。
今回のケースでは、すべての杭がX方向に同じ量だけズレているので考えやすい。
X方向にずれているので回転力がX方向に発生する。
この回転力がMに影響してくるイメージを持てばいいと思う。
杭芯ズレ前の地梁FGの応力は上図のようになる。
ズレると下図のように応力に変化がでる。
今回の例では、杭が左に(X方向)-200ズレたことでX方向に回転力が発生する。
連動して地梁へ応力の変動して、右のフーチングでは応力が大きくなり
左のフーチングでは応力が小さくなるんだね。
その認識でOK!
ということは、計算書で該当箇所の検定比に十分な余裕があれば
簡単にチェックができるということだね。
ここでは、元の計算書の右側のフーリングの検定比に余裕があれば
現場でも大丈夫そうという目安になるね。
その認識でOK!
構造屋に確認するときにそこまでできれば十分すぎるよ。
今回は杭の全数がX方向に同じ量だけずれていたから簡単に説明できた。
Y方向にもズレいてる場合にも、この考えは使えるけど余裕はもっと大きく見た方がいい。
ここで注意だけど
また、稀に意匠さんに渡っている計算書が古い場合や間違っている場合もあるので、現場で勝手に判断せず構造屋に確認した方がいいよ。
確認用に
同じ断面で杭を200ずらしただけの検定比も載せておくよ!
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