構造計画 その6 スラブの重量の流れについて

いま検討している建物が開口部に梁を設けたくないんだけど・・・

何か注意しないといけないことはないかな?

本来は開口部の上には梁を設けることで、スラブの重量を壁へ伝達しているよ。

スラブ → 梁 → 壁 ってかんじ

でも、この梁がないっていうことは

スラブ → → 壁 ってことになるね!

それって大丈夫なの?

意匠的に注意しないといけないことはないの?

梁が負担していた重量を誰かが代わりに負担しないといけないよ

だれだと思う?

う~ん、直接壁に伝達できたらいいけど

それができないわけだから、隣のスラブが負担するんじゃないかな?

正解だよ!

イメージはこんな感じかな

梁を経由するはずだった、青色斜線部の重量が行き場がなくなって隣のスラブに流れるんだ

そうそう!

隣のスラブに流れるからスラブの負担重量を追加しないといけないよ!

意匠的に注意しないといけないことを教えて!

開口部に隣接する壁の負担割合が大きくなるよ。

極端に言うと、「他の壁よりも負担が大きい≒壊れやすい」ってことになる

少しでも壊れにくいようにするためには、壁長さを450mm以上確保してほしい!

450mmないとどうなるの?

450mmっていうのは、「耐力壁」に必要な長さなんだ。

耐力壁にならない場合、「軸力壁」になるよ。

耐力壁と軸力壁の違いが良く分からないんだけど・・・

耐力壁は常時の荷重や、地震力(水平力)を伝達できる壁

軸力壁は常時の荷重のみ伝達できる壁のこと。

軸力壁になってしまうと、その壁が負担できなかった「水平力」を周りの壁が負担することになるんだ。荷重や応力の伝達はなるべくシンプルな方がいい。

周りの壁やスラブに負担させるような意匠計画は、構造的にはあまりやりたくはないんだ・・・もちろんできなくはないけどバランスは悪いよ!

なるほど!

構造的にバランスが良い悪いっていう意味がなんとなく分かったような気がするよ。

構造屋さんとの打ち合わせ・自分のスキルアップのためにもある程度、重量などの力の流れが分かるように考えながらプランをしてみるよ!

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