前回の続きで今回は「傾斜地とは崖地とは」について振り返りたいと思うよ
斜面地と崖地なにが違うと思う?
崖地は県条例とかで定められているけど・・・
斜面地との違いはあんまり意識したことないかも
なにが違うんだろう
斜面地には後で解説するさ
先に崖について説明するね
崖の取り扱いについて、沖縄県の県条例は👇な感じ
ここでまず気になるのは1項の「崖の下端から」・「崖の上端から」という文言だよ
どうして気になる?
意匠に確認してもらえばいいんじゃないの?
ほんとに意匠がそこまで教えてくれるかな?(笑)
今回のA邸は崖の上に立地していたので、条例の崖地にあたるか確認したくて
意匠さんに「崖の下端のレベルと距離を教えてほしい」と連絡したら
「崖じゃありません、大丈夫です」みたいな回答があった。
この回答では不安だったので現地確認をしたんだ。
そしたら、崖側は雑草がすごいのと崖下はとても人が入れる感じではなかった。
つまり、この崖の下端のレベルと距離を正確に求めることはかなり厳しい。
自然が多いロケーションの場合は特にそうだと思う。
たしかに・・
構造屋から求められてもすごい困る
じゃ、実際どうしたの?
今回は「意匠事務所に崖に該当しない」と一筆もらうことにしたよ。
こういう確認は計算に入る前の構造計画で十分に確認すべきだったと反省したよ。
ということで、意匠さんも事前調査はしっかりお願いします。
次の2項は大丈夫そうだけど3項の内容があいまいで良く分からないんだ。
なんとなく いつも杭基礎や直接基礎の深基礎を使って対応していた。
この「安全上支障がない」っていう具体的な記述が沖縄県の条文をネットで探しても見つからなかった。
代わりに福岡県のQ&Aがあったので載せるねー。
今回の物件がWRCの布基礎なので上にあてはまるんだけど深基礎にして対応しているのが分かる。
ここで初めて知ったんだけど、「がけ法楽寺における基礎を含めた建築物の安全性」とある
つまり、崖が崩落してしまうと周囲の土が流出してしまい、地耐力算定の支持力の「根入れ効果」が期待できなくなるってことだ。
いままで、深基礎で対応していて、根入れ効果を除くことをしていなかった。
他県の条文の解説だけど、今後自分の設計に反映していきたいと思うよ。
地盤改良の浅層改良も確認してみよう
浅層改良の場合、原則べた基礎とある。
これはかなり金額的に厳しい(笑)
沖縄の住宅の場合、WRCが主なのでべた基礎にするとべた基礎のスラブ面積が大きくなる。
スラブ面積が大きいと配筋・スラブ厚みを大きくしないといけなくなる。
そのため、布基礎で検討することが主なんだ。
設計者判断になると思うんだけど、この「ただし~」を反映させて布基礎でOKとすることも可能だと思う。
この絵で発見だったのは、グリーンで色付けした部分だ。
改良厚みが大きいとそれに合わせて(相対的)、崖下安息角度より離隔距離を確保しないといけないということだ。この図(崖の位置・角度)を軸組図など描いていれば一目で分かるけど、描いていない場合は確認のしようがないから注意が必要だ。
崖に面する場合は、軸組図にもこの図のように安息角及び浅層改良、離隔距離(H/2)を描いた方がいいと思ったよ。
次に地盤改良の深層改良を確認しよう
杭配置がだめって初めて知った・・
自分はほとんど深層改良を取り扱ったことがないんだけど
注意しないといけない。
でも、この青枠部分、「周囲の地盤が流出して拘束力がなくなると水平抵抗上問題がある」の拘束力がなくても安全ということが確認できれば問題ないと読み替えることもできる。
このあたりについてはこれから調べて安全であれば杭でも採用可能か検討したいと思うよ。
崖については以上
斜面は次回ね
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