まず 壁厚について教えて
耐力壁の最小厚みは、計画建物階数によって決まっている。
設計例は2階建てなので
最小壁厚みは 150mm以上 かつ
2F t=h/22=2800/22=127mm
1F t=h/22=2590/22=118mm
よって150mmになる。
hは「構造耐力上、主要な鉛直支点間距離」のこと。
hと壁厚の関係は、「ひび割れ発生後に生じる壁の面外座屈を防止する」ために
設けられた規定なんだ
今度は壁量について教えて
耐力壁は厚さに比べて長さが極めて長い部材であり、高い剛性と強度をもっている。
剛性に関しては面材であり。せん断剛性が非常に高く、曲げ型の変形をする柱などにくらべて小さな変形で高い強度を発揮します。
その反面、面外方向は剛性と耐力が小さいため、設計には考慮しないよ。
壁量とは各階・各方向の壁の長さの合計を、各界の床面積で除した値のことだよ。
標準壁量と最小壁量が建物の規模によって決まっているから
それを満たすように計画建物の壁量を配置しないといけないよ。
今度は壁率について教えて
壁率αwは、床面積Afに対する検討方向の耐力壁の断面積Awの合計の比
つまり、壁率は水平抵抗要素となる鉛直材の断面積比で、建物の各階の強度を
表す指標となるよ。
👆この式をよくみるけど壁率となにか関係あったりする
この式を変形すると
耐力壁の壁量を壁率で表現できるよ
上の壁断面積の必要量は1968年の十勝沖地震の建物被害(志賀マップ)を参考に作られているんだ。
どーいうこと?
志賀マップでは
X方向に耐力壁断面積/床面積の合計
Y方向に平均せんだん応力度
を振り分けて建物の被害状況の分布させたんだ
👇志賀マップ
AゾーンとBゾーンが建物の損傷が確認できた
Aw/ΣAfが30の縦のラインが損傷の境界線
Cゾーンは損傷なし
Aw/ΣAfが30以上 または 平均せん断応力度が1.2以下なら安全ってことなんだ
志賀マップを利用した建物階数ごとに規定で必要となる
最低の壁量Aw/ΣAf(壁量近い値)は2階建てだと90になる
つまり、損傷の境界ラインの30を2倍以上上回っている
最低壁量より3倍近く上回っているので耐力壁の断面積Awを低減したい。
ただここで注意なのが、志賀マップで利用した建物の床重量は10,000(N/㎟)ということ
実際の建物ではこれよりも少し重いことを考慮して2.5の低減(=60%低減)を行ったのが
2.5Aw ≧ Z・ΣW・Ai・β となる
ちなみに
A・X=25
A=25/X=25/2.5=10
この式からもXは低減係数と分かる
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