審査機関から指摘事項がきたんだけど
どう対応していいか分からないから教えてほしい
「開口部やハイルーフが建物中央にあることで、剛床が成立しているのでしょうか?
建物左右で水平力伝達は行われていますか?」ってどういうこと?
剛床仮定っていうのは、床を「剛」と判断して構造計算を行うことだよ。
剛床とみなせないのは、床が同一レベルにない時だよ。
それじゃ、こういう建物は剛床が成立しないってこと?
剛床とみなすかは、設計者判断になるよ。
設計者の判断として回答の仕方は2つあると思うよ
1つは、剛床が不成立として、1つの建物を剛床が成立するゾーン毎に建物を分割して再度構造計算を行う。
もう1つは、ハイルーフ周囲のスラブで水平力が伝達されていることを確認すること。
この例だと赤い斜線部になるかな。
水平力を伝達するときは、どうやって確認するの?
こんなものが情報としてあるんだ。👇
これを見ても何がなんだかさっぱり
自分にも分かるように教えて
平面図を大雑把に書くと👆感じになるんだけど
AゾーンとBゾーンを繋いでいる赤斜線部の長方形スラブは
X方向の地震力(水平力)には、スラブの十分な長さがあるからOK
Y方向の地震力には、スラブの長さが不十分だとせん断破壊してしまって
AとBが別々と動きをしてしまう ≒ 剛床不成立となってしまう
じゃ、この場合は
Y方向の地震力に対して、スラブの検討を行えばいいんだ!?
地震力(水平力)jは、剛性が大きい方に負担割合が大きくなるから
仮にAゾーンの壁が沢山あって剛性が高く
Bゾーンは開口部が多くて剛性が低いと
地震力はAゾーンに集中してしまう。
100=80(Aゾーン)+20(Bゾーン) ってイメージかな
つまり、AとBでは60の地震力の差があるけど
これを接続しているスラブが負担しても問題ないかを確認するんだね!
その通り!
意匠屋さんとして注意すべきなのは
AゾーンとBゾーンに建物を分割した場合、剛性(壁・開口部)の偏りがないか
もし、あるなら、接続するスラブには、地震力が集中してしまうこと。
最悪、スラブの長さがプラスしないといけなくなるかもしれない
これはプラン作成中にここまで意識するのは難しいかも
実際は、スラブが極端に短くなければNGになることはないよ
あまり気にすることはないと思う。
でも、構造屋としては、ゾーン毎に剛性が極端に異なるのはバランスが悪いと思うので
壁と開口部は偏りがないようにした方がいいと思う
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