構造計画ミス その1 梁とねじれ

今回は構造計画で見落としていたことを共有したいと思うよ

X13通りの壁なんだけど、上部に床が接続していないので耐力壁にはならない

スラブの重量を伝えることができないから耐力壁にならないんだね

X13通りの壁を雑壁として入力すると、モデル上、下部材を地中梁として認識してしまう。この部分は、かなりスパンが飛んでいるから「たわみがNG」になってしまうんだ

モデル上、下部材を地中梁?

X13通りには開口部がないので、壁全体が柱になるんだ。

「一枚の大きな壁柱=柱」になる

幅が大きな柱ってイメージすると、

そこに「たわみが生じる」っていうのは変な感じがする。

だから、壁を「雑壁」として入力するのは避けた方がいい

耐力壁もだめ

雑壁もだめ

じゃ、どうするわけ?

まず、耐力壁としてモデル化を行う

次に、耐力壁の機能を低減させる

機能を低減とは?

耐力壁は常時の重量=軸力と

地震時の水平力の2つを負担しているんだ。

今話しているX13通りの壁は、雑壁でも耐力壁のどちらでも

常時の重量=軸量を負担しているのでこれはそのままでいい。

ただし、地震力は違う!

雑壁として考えたいので、水平力は負担させたくない

たしかに、雑壁は軸力を負担できるけど

水平力できないよね

具体的に水平力を負担させないためにどうするの?

モデル作成のために、耐力壁として入力しているので、

ソフト機能を使って、壁柱の「水平力の負担割合を限りなく0に近づける」

具体的には、壁柱の水平力負担割合に0.0001をかけてあげるんだ

この時は、これで構造計算書をまとめて提出したんだけど・・

このX13通りの壁の「ねじれの検討」を忘れていたんだ!

ねじれの検討とは?

X13通りの壁は、スラブが接続していないため横からの力に

抵抗する力が弱いんだ。

だから、横からの力に対して安全かどうかを確認するんだ

横からの力っているのは具体的に?

地震力と風圧力だよ

地震力と風圧力の検討方法を教えて!

地震力と風圧力の大きい方を採用して、

まず壁の縦筋で耐えられるように設計する。

次に地震力と風圧力の大きい値が、地梁にねじれを発生させるので

地梁がそのねじれに耐えられるように設計する。

この検討結果

1m長さあたりの曲げモーメント(M)が求められる

今度はFB材がこのMを負担できるか確認するよ

FB材かなりスパンがあるけど大丈夫?

スパンがあるから負担長さが大きくなってしまう

そのままだとかなりのMがねじり曲げモーメント(=T)として

負担しないといけなくなるから厳しいってイメージできるよ

きびしいってことは鉄筋とか断面を

大きくする必要がでてくるってこと?

そーだよ

断面などをあまり大きくしたないなら

ねじれを負担する梁FBの負担長さを短くしないといけない

短くするにはどうしたらいい?

FB材の直交方向に梁を追加して

ねじれを分割するんだ!

当初、このねじれの事も忘れていたし

当然、直交方向の梁の追加も忘れていたんだ!

じゃ、これでOKなんだね?

いや この内容で再提出したんだけど

審査機関から再度、質疑があって

「二次部材の検討では、FB材を6連梁の支点として解析しているけど

電算では、応力が発生していないので支点とはなっていないと思いますが

どう考えていますか・・・」

つまり、二次部材と電算で支点の考え方の整合性が取れていなかったんだ

よくわからん

ま、自分の都合に良いように解析条件を捉えるのはやめてね!

ってことだよ

この質疑にはどう対応したの?

X13通りのねじれを分割するためのFB材を

支点としてではなくて「つなぎ梁」としてだけ

機能させればいい。

そうすると結局、FBはスパン長くなるから断面きつくならない?

いや、ねじれ分割のために直交方向FBを計画している分

ねじれ曲げは考慮しなくていい。

スパン長くなった分の応力だけを考慮すればいいから

鉄筋の本数を増やすだけで対応できた!

構造屋ってこんな感じで審査機関と調整しているんだ!

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