田中
やっと、施主との打ち合わせ内容をまとめて、平面計画に反映できた。
でも、この開口部の大きさ・梁の長さで問題ないかな?
構造事務所に検討してもらう前に無理がないかの大体の検討はつけたいな・・
大学の友人が構造事務所で働いているからアドバイスもらおう!
さとう
お!田中くんからメールきてる。
ふむふむ・・事前に意匠計画に無理がないかの確認をして欲しいんだね。
みてみよう!
たぶんこのままで問題ないと思うけど・・
意匠の田中君が知っておいた方がいいことをメモで伝えよう♪
ピン支点になったらどうなるんだろう?
とにかく壁の長さを大きくする変更はしたくないから
このままのプランで進めたいなぁ
ピン支点というのは、梁を支えることはできるけど
固定する力(固定度)が小さいため、モーメントは負担できない支点のことだよ。
剛支点は、固定度が大きいから、モーメントも負担できる支点のことだよ。
梁を計画するなら、支点は「剛」の方がいいよ。
イメージ図はこんな感じだよ↓
なるほど!ピンでも剛でも応力図(青色)は同じ大きさだけど、
剛支点になると、支点がモーメントを負担できるから、
ピン支点の応力図が上に上がっているが分かる。
応力図が上に上がることで、梁中央の負担応力が小さくなっている。
なるほど、剛支点がいいっていうのはこういうことか!
でも、剛支点にするにはどうしたらいいんだろ?
剛支点にするには、必要とされる壁の長さが決まっているんだよ
壁式鉄筋コンクリート構造の場合
耐力壁とするには幅450mm以上
軸力壁とするには幅300mm以上
どちらも剛支点になるけど、建物としては耐力壁にして欲しいな。
それが無理なら軸力壁にした方が梁に無理がでない計画になるよ!
剛支点の壁に必要な長さは分かったよ!
でも、壁の長さは変更したくないんだ。
この案のまま、梁はピン支点でできないかな?
今回は鉄筋と梁成を大きくすることでそのままでOKだよ。
あっ!田中君 もう一つ注意して欲しい所が見つかったよ!
ふつう、スラブは4方向とも梁や壁でがっちり固定されている条件(=4辺固定スラブ)で検討することが多いんだ。
でも、今検討していた梁は、スパンの全長に渡ってシングル配筋の梁で計画しているから固定度が小さいんだ。
梁の固定度を確保すれば4辺固定スラブにできるけど、ダブル配筋にしないといけないよ!
ダブル配筋にすると、壁と段差がつくから、なるべく避けたいなぁ・・・
いちおう、天井裏に隠れるから見えることはないんだけど
う~ん、さとうくん、シングル配筋するには何か問題あるかな?
スラブを3辺固定スラブにすれば問題ないよ!
3辺固定にすれば、今検討していた梁には固定度は必要ないからね!
でも、その代わりスラブの負担割合が大きくなるから、スラブ厚みが大きくなったり
配筋が変わったりするよ!
今回は、スラブ面積が小さいので他の4辺固定スラブと同じ厚み鉄筋で問題ないよ!
結果、最初の案のままでOK。
今回教えてもらったことで自分でも事前に調整すべき項目が分かったよ。
1.支点は剛支点になるように、壁はまとめて300mm以上の長さとなるように計画する。
2.梁のスパンが長い場合、その梁に接続するスラブの固定度に影響を与えるからダブル配筋になるかもしれない。4辺固定にするかそれとも3辺固定スラブにするか・・・
4辺固定ならダブル配筋になるけど天井裏に収まれば見えないからOK
3辺固定ならスラブの負担割合が大きくなるからスラブ厚が大きなってしまうけど、壁と梁で段差が生じないからキレイに仕上がる。
物件に合わせてどうしたいかを事前に構造屋に伝えられるようになったぞ!
さとう君ありがと~👍
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