今回は既製コンクリ杭の監理について振り返るよ!
杭の監理ってどんなことをしているの?
今回、会社として既製コンクリ杭である
拡大根固めプレボーリング工法の工事監理を業務として行った。
既製コンクリ杭はトルク値が分かる鋼管杭と違って、支持層の明確な確認方法がないんだ。
色々調べたんだけど、「コレ」が確認できたら確実に支持力が出ていると判断できる材料がないんだ。
でも、現場では実際どういう工事管理をしているの??
大まかには
電流計の波形とNの相対関係の確認
先端土質の確認
掘削長の確認
の3つが主になるよ。
試験杭ならすべての工程に立ち会うから先端土質の確認はできると思うけど
試験杭以外の本杭では、一本一本土質の確認を行う時間がなかなか確保できない。
結果的に電流計や掘削長、機械の振動や作業音になってしまいがち・・・
電流計の正しい見方ってあるのかな?
正しい見方というか特徴があるよ
礫層の掘削=左右に大きく振れ、鋭い波形
粘土層=地盤の方に合わせて緩やかに蛇行
砂層=左右に細かく動く
っていう特徴がある
なるほど!
支持層付近の土質に合わせて上記波形が確認できればいいってことだ。
注意点ってある?
支持層到達が容易に確認できるのは
表層のN値が小さく、支持層付近のN値が急に大きくなるL型地盤だ。
支持層掘削において上記波形が明快に表示されるので確認は容易。
難しいのは支持層以浅と支持層の土質変化が不明瞭な場合だよ。
電流計は掘削抵抗の変化(=土質の変化)として捉えるけど、N値が40、35と僅差の場合
波形に顕著な違いが見られない。
つまり同種の土質が上層から続く場合においては、波形から支持層の確認は難しいってことだ
どうしたらいいの?
うーん
電流計の波形が判断材料として適切ではなくなるし、
掘削ヘッドに付着した掘削土も同様に同種の土なのでなんともいえない。
なので、掘削長による管理を主体とした方がいいと思う。
理想は支持層の平面的深度分布を明確に把握できるようにボーリングなどの土質調査を十分に実施することだ。ケチった場合、監理の判断材料が乏しくなってしまう。
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