土留受け外壁の検討

構造
構造

今日は土圧を受ける外壁について振り返りたいと思うよ

意匠
意匠

写真のような敷地なんだけど、レベルを見ても分かるように擁壁にすると高さがあるため

工作物の申請が必要になってしまう。

申請を出さずに設計して欲しい。

であれば、擁壁単独で設計するのではなくて、

建物一体の外壁として設計する方法があるよ。

建物一体の外壁とする場合

この外壁とつなぎ梁には、どのような検討が必要か分かる?

断面がこういうイメージになるから

まず、土留受け外壁の検討。

次に、土留受け外壁と接続しているつなぎ梁の「ねじれ」の検討が必要になると思う。

そーだね。

土留め壁の検討に土圧を考慮しないといけないから

ソフトを使って値を確認してみよう。

ちょっとまって壁の高さはどうやって決めるの?

この高さが決まらないと検討ができないよね。

そーだね

壁の高さが高すぎると、端部(=根本)の曲げがとても大きくなって、つなぎ梁の断面がとても大きくなってしまう。

逆に高さが低すぎると、その分つなぎ梁の梁せいが大きくなってしまうよ。

バランスを見ながら決める必要があるね。

土留め壁は、複配筋としたいから最低でもt=200、根入れ高さが2000mm以下となるようにしたよ。

なぜ根入れ高さが2000mm以下となるようにしたの?

検討する部材が、片持スラブに土圧を受けることになるので

部材厚が検討長さの1/10にしたかったんだ。

今回は部材厚みが250あるから2500mmまで高くしてもよかったんだけど

余裕を見て2000mm以下としたよ。

ソフト出力結果の柱脚と柱頭の値、

そして端部の応力の値について手計算で算出してみて

計算過程も確認できたので

外壁の検討はこれでOK!

次に、この外壁端部の曲げがつなぎ梁に

「ねじれ」として伝達されても壊れないかの確認をするよ。

ねじれモーメントTを求めてみよう!

外壁端部の曲げ49.50kNm/mに

スパンをかけて、負担支点数で割ればいいの?

そうそう

検討箇所のスパンが6mあったため

(49.5*6.0)/2=150kNmという大きなねじれになってしまった。

なので中間にCFG梁を追加することでスパンを小さくしてねじれも小さくした。

中間にCFG梁を入れると、この梁の反対側にも梁を計画しないとFG梁にねじれが発生してしまうので、ここでも梁を追加しているよ。

土留め壁のねじれはつなぎ梁で検討しているのに

どうしてCFG梁のねじれはFG梁で負担させないの?

できなくもないけど

ねじれは部材にとって複雑な力なので極力ないほうがいいんだ。

ねじれ=ぞうきんを絞るようなイメージで断面に力が発生する。

従来の鉛直や水平とは違って方向が複雑だから避けたいっていうのがある。

ねじれを許容する断面が求められたら

その断面を使って荷重を与えても問題ないか確認を行うよ。

どういう検討が必要か分かる?

つなぎ梁が土留壁を吊っているから、その壁の重量を等分布荷重として入れ込む。

また、土圧が面外方向から載荷されるので、梁断面を90度回転した上で

土圧を等分布荷重として入れ込んで腹筋の鉄筋径とピッチを決定する。

そうそう

それでつなぎ梁の検討はOKとなるよ。

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