モデル化 その2 剛床不成立スラブの入力について

今日は剛床不成立スラブの構造ソフトへの入力方法について教えて欲しい。

前回 「モデル化 その1」で荷重の考え方を説明したから

今回は構造ソフトへの入力に教えるよ!

同じレベルにない「吹抜けの屋根スラブ」「ハイルーフの屋根スラブ」は

モデル化するのはソフトの性格上、あまりよくないから別途入力するってことは

覚えている?

覚えているよ!

前回、ソフトで解析する前提としてスラブが「剛床」かどうかだった。

スラブは同じ高さ(レベル)に計画していれば

水平面で連続しているので「剛床」が成立する。

ただし、吹抜けやハイルーフはスラブレベルが主要な屋根スラブのレベル(RSL)と

異なってくるから、モデル化しない方がいいって話しだね!

その通り!

では、そのモデル化していない部材をソフトに入力するにはどうするんだっけ?

「特殊梁荷重」ってやつで入力するって前回説明してもらったよ

おーけー。復習は大丈夫そうだ

実際にソフトの画面を見ながら説明するよ!

特殊はり荷重名称=追加したい荷重に番号を振り分ける

荷重ケース=主に「鉛直」と「地震」から選択する

加力方向=地震時の場合、正負加力、正加力、負加力

タイプ=集中荷重、等分布荷重などから番号で選択

コメント=入力した内容を確認するためのメモみたいなもの

ふむ・・・

さっぱり分からん

例えば、前回の建物を参考にすると

ハイルーフが一部飛び出していたと思うけど

ハイルーフを支えている4方向の立上り壁を

荷重名称1~3に入力しているよ!

でも、1~3でそれぞれ「タイプ」と「パラメータの値」が異なるよ!

それは、前回の解説を見ると分かると思うけど

このハイルーフの立上り壁には、幅とか開口部の有無によって3パターンあったからだよ。

タイプ10は「等分布荷重」。パラメータのP1の5.5は「5.5kN/m」という意味

タイプ1は「集中荷重」になる。P1は集中荷重で10.6kN P2は位置を示しているよ。

起点から4.9m離れた位置に10.6kNの集中荷重をかけるっていう意味

説明するのしんどい

なるほどそうやって入力しているんだ!

でもさ、名称4.5だけLL/TLってやつ入力しているけど・・

これなんね?

ん?

だからどういうこと?

荷重ケースで「鉛直」を選択しているってことは

地震時の荷重はどうなっていると思う?

鉛直って言うのは、長期荷重のことで

地震荷重は短期荷重のことなんだけど・・・

ん?

地震荷重の入力が漏れているってこと?

もっと具体的になにが漏れているか分かる?

わからないです!(笑)

上のイラストでも書いているように

TL=DL+LLなんだけど

このうちLL(積載荷重)は検討箇所によって値が異なるんだ!

イラストのように

LL(積載荷重)は検討部位によって値が異なるんだ!

どーしてだと思う?

集中の度合いが異なるからって書いてあるけど(笑)

例えば、柱4本の上に屋根スラブが一枚かかっていて

屋根スラブの上に水タンクを設置した場合

柱の負担分は、単純にスラブ経由で1/4になるよね!

でも、スラブ自体は一枚しかないので、負担は100%

つまり、水タンクなどのLL(積載荷重・活荷重)は、スラブの負担が一番大きいので

値も大きくなっているんだ。

※小梁もスラブと同様で、小梁経由で周囲の大梁などへ伝達する。

なので、スラブ、小梁 ≧ 柱、梁(いわゆるフレーム) ってなるんだ

なるほど!

じゃ最後の地震用は?

これが一番小さいけど・・・

地震用以外は長期荷重で採用されるもの

地震用は、長期荷重にプラスしてかかるものだよ。

すでにスラブ、小梁、フレームの各部材の長期用積載荷重は設定しているので

地震時はそれに加えて加えることになる。

つまり地震時=固定荷重+地震時積載荷重ってことになる

地震時、建物は地震によって揺れるけど

その揺らす力は建物の重さ(固定+地震時積載)に影響を受ける

この地震積載には集中の度合いや偏在は考慮しなくていいんだ!

長期の重さ = 固定+用途ごとの検討部材の積載荷重

短期の重さ = 固定+用途ごとの地震積載

ってこと。

ちょっとややこしいけど・・

なんとなく意味は分かるでしょ?

※短期時は、検討部材に応じて値は変わらず一定だよ

積載荷重のことはわかったけど・・・

入力のLL/TLって言うのはどうしたらいいのさ

ごめんごめん(笑)

荷重ケースが鉛直ってなっているから

この入力のままだと「長期荷重」しか反映されない

つまり、短期荷重の積載荷重がそのまま漏れていることになるんだ!

ここではイラストの「350N/㎡」が抜けている

この350を加えるためにこの項目に入力するんだ!

LL(フレーム積載)/TL=650/5600=0.116

LLE/LL=350/650=0.538

この項目を入力することで

「短期の地震積載荷重」が反映されるんだ!

自分も最近知ったんだけど・・

いままで、この地震時積載荷重の入力が漏れていたんだ。

今回の説明はこれでおわりねー

ありがとー

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