今日は地盤調査のボーリングの辞め時について振り返るよ
ボーリングの辞め時を教えてほしい。
N値50が4回連続したら支持層っていうイメージはあるんだけど・・・
4回も連続で出ない場合ってどの深さで止めたらいいかは分からない。
なるほど
ということは意匠さんはこの建物でどれくらいの支持力が欲しいかが分かっていないってことだね。
たしかに・・
わかっていないです。
WRCの建物でだいたい平均で11~13kN/㎡の重量となることが多い。
これから計画建物が延床で200㎡なら総重量は220~260kNとなる。
独立基礎ならその箇所で割ってあげれば一カ所当たりに必要な支持力が分かる。
布基礎なら簡単に耐力壁直下の布基礎長さを測って、布幅を決めることで必要な接地圧が分かる。
必要な接地圧が分かっても、N値と関係あるの?
大ありだよ。
必要接地圧から逆算してN値を求めることもできる。
意匠担当者は、地盤調査前にいくらN値が必要か自分で把握しておく必要がある。
意匠さんが自分で必要なN値が分かるように資料を添付するから活用してみて
使い方としては
まず、支持力のタブで必要な情報を入力して地盤の支持力(=許容支持力)を求める。
その次に、布基礎であれば、総軸力と基礎総長を求めて入力を行う。
その次に、基礎形状に合わせて土重量が求まるので、想定している基礎幅や梁幅、根入れ深さを入力する。また必要に応じて砕石などの重量を加算すればよい。
※重量のほとんどは上部構造で決まっているので、砕石などの他の項目は分かる範囲で求めればいい。
これらをまとめることで上部構造の重量 + 下部構造の重量 = 全重量 となる。
この全重量を基礎総長と基礎幅でかけたもので割ってあげることで接地圧(単位面積当たりの重量)が分かる。
添付データはN=15 で 許容支持力は165kn/㎡
必要接地圧は63なのでOKとなっている。
※NGなら赤色になるようにしている
※基礎形状で選ぶ項目が正方形や連続や長方形などがあるから適宜選択する。
布基礎なら連続を選択、独立なら正方形か長方形になる。
支持力算出式はよく使われているものだから、参考書とかネットで検索すればその意味がすぐ分かると思う。参考図書としては、「実務から見た基礎構造設計」がすごい分かり易い。
なるほど!
まず延床や地梁の深さなどから総軸力を求めて、それを面積(基礎長さ×基礎幅)で割ってあげているんだね。それで必要な接地圧が分かる。
この接地圧を逆算してN値を求めればいいだね。
エクセルの許容支持力が必要接地圧を超える値を入力して確認すればいいだね。
たとえばだけど
必要接地圧が150の場合
N値15の粘土なら165
砂なら171になる。
この場合、余裕みてN値15以上が4回でれば直接基礎の布基礎はOKと判断できるってことだ。
そだね
でも、なんらかの条件で直接基礎が使えなくなる可能性もあるから他の基礎形式でも代用可能となるように考えておくべきだ。
N値50が4回以上でなくて杭が使えなくても、代わりに柱状改良ならN値25程度が2回でれば採用可能だったりする。
なので、直接基礎以外にも対応できるように欲しいN値を予想しておきたい。
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