今回はベタ基礎について振り返りたいと思うよ
今回の物件は、建売住宅なんだけど施工性を考慮して
地中梁の梁成とベタ基礎厚みを同じにして欲しいという要望があった。
ふーん、そーなんだ
地中梁のせいをスラブ厚と揃える場合とそうじゃない場合で
なにか検討方法に違いは出てくるの?
出てくるよ!
揃えない場合
地中梁の断面が大きくなるからベタ基礎スラブを固定する
周辺の地中梁は固定端の扱いになるよ。
揃える場合
梁せいがスラブと同じなので、スラブを固定する力が弱いので
周辺の地中梁はピンの扱いになるよ。
なるほど!
厚みの違いで、地中梁の固定度が「剛かピン」に代わるんだね!
今回は揃えるから周囲の梁は「ピン」でいいんだね!
そーだよ
でも、ちょっと考えて欲しいんだけど
地中梁がピン扱いということはM曲げを負担しないってことなんだけど
実際、梁がまったく曲げを負担しないってことはあると思う?
たしかに・・
いくら梁せいが小さいからって、曲げを全く負担しないっていうのは変な感じがするな・・
う~ん、多少は固定度を与えた方がいいかもしれない・・って思う。
多少の固定度を与えるってことは
応力はどうなると思う?
固定度があるっていうことは、梁が曲げを負担することになる。
外側の地中梁は曲げを受けると「ねじれ」が発生するから
それを抑えるためにねじれの検討が必要になると思う。
そうそう。そんな感じ
梁を剛としてベタ基礎スラブを計算した場合
ふつう、ベタ基礎スラブは、屋根スラブの厚みと比べて大きいから
端部の曲げも大きくなってしまう。
端部の曲げが大きいということは、ねじれも大きいということになる。
そして、ねじれを抑えこむための梁の断面を大きくする必要が出てくる。
ベタ基礎の場合、ねじれを抑えるためにかなり大きな梁の断面が必要になってくる。
う~ん
やっかいだな。スラブと同じ厚みなら「ピン」と考えたいけど
実際は多少の剛度があるから「剛」としても検討しないといけない。
両方満たせばBESTだけど、それだと非経済的だし・・
どうしたらいいの?
仮に梁を剛として考えた場合
徐々にベタ基礎の端部M曲げを大きくしていくと
ある力で曲げヒビ割れが発生する。
梁にヒビ割れが発生するということは
固定状態が「剛」から「ピン」に近づくということだよ。
なるほど!
梁の壊れ方を想定して、
ひび割れが入っても安全となるように検討するんだね!
ベタ基礎スラブが連続しない、建物外周部の地中梁は「ピン」扱い
じゃ、建物内部の梁は剛・ピンのどちらになると思う?
う~ん
内部の梁せいも、スラブと同じ厚みだけど、
壁が載っている箇所はある程度、剛度が期待できそうだけどな・・
でも、壊れ方を想定するなら「ピン」が妥当な気がする!
そーだね!内部側も「ピン」でいいと思うよ。
梁の上に乗っかる壁(WRCなのでコンクリ壁)だけど
スラブに比べてかなり薄いから剛度はあまり期待しなくていいと思う。
ベタ基礎を反対にした屋根スラブでイメージすると分かりやすいかも!
屋根スラブに比べて薄い壁の場合、その部分ではスラブは固定されているとは
言えないと思うんだ。
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