今回はCBの監理ポイントを振り返るよ
最近、RCが高騰しているからCBで意匠を検討しているんだけど
監理での注意点を教えて欲しい。
1.隅角部の納まり
2.コンクリの充填の確認
3.重ね継手はNG
4.縦目地と交差部の充填部材
の4つを注意してみた方がいいよ
「隅角部の納まり」っていうのは建物の角だけど
従来は下図の様な避けるべき納まりが多かったみたい
これだと強度を発揮できないのでNGとされている
つまり、意匠屋は最初の平面計画で壁の位置を決めたら立面まで起こして
隅角部と壁の端部はコンクリートの露しになることを想定するべき。
この作業が大変、もしくは検討したくない意匠屋もいて、そういう人達に上記の情報を
伝えても聞かなかったふりをしてそのまま工事を進めている。
自分たちは工事監理まで業務として行っていないからこういう箇所について指摘することはないけど・・・なんか複雑だよね、施主は分かんないからね
なるほど。
ちなみに上記の「型枠などを隅角部に用いることを認めている」ってあるけど
これはどういうこと?
立面でCBが連続しているのに、直交方向に壁を計画した箇所はコンクリートで
仕上げてしまうと、外観上、ちょっと統一感がないってことになるよね。
そういうことに配慮して、型枠ブロック(役物)の使用を認めているってこと
型枠(役物)ブロック👇
2.コンクリの充填はどういうこと?
ブロックのつなぎ目(縦と横)にコンクリを流し込めばいいんだよね?
RCの場合は仕上がりが直に目に見える。
うまく充填ができていないと、ジャンカとして仕上がるので補修ができる。
けどCBだとブロックで隠れてしまってちゃんと充填されているか不明。
それに補修もできない。
これは、外観上ジャンカがでないから良いように思えるけど、中が見えないので監理が大変。
沖縄の専業CB職人?というのはあまりいないらしく、鉄筋やブロック積職人が別々に仕事をしている感じだ。ここで問題になるのは、コンクリを充填することの大切さを職人が分かっていないということだ。
職人としては、「どうせ目に見えないのなら手を抜いても分からないだろう」という意識の人が多いようだ。(職人が高齢化しており、手間と感じて手を抜くよう(笑))
なので、この現場では、意匠の担当者がつきっきりでコンクリを下の方まできちんと充填するよう指導をしていたよ。縦筋が入るところに径が小さい鉄筋を抜き差しして充填させていた。
充填の良し悪しは下図のピンクの部分までコンクリが露出してきたら良しと判断すればいいと思う。
充填箇所ごとにを鉄筋で抜き差ししてコンクリを充填させているようだけど
バイブレーターを使えば一発OKじゃないの?
なんで使わないの?
なんで使わないと思う?
RCの躯体の場合、バイブレーターを使いすぎると骨材が沈んで表面にモルタルが集まってしまう「材料分離」が発生するけど・・・・
CBの場合も材料分離が発生するってこと!?
RC躯体はまとまった数量のコンクリに対してバイブをかけて充填させている。
これがCBの充填部でかけると、充填部のコンクリ量があまりにも少ないため
すぐに材料分離が生じてしまう。躯体を構成する要の充填部の材料分離はNGだ。
3.重ね継手NG
これはどう監理したらいいの?
原則、CB縦筋は重ね継手NGだ。
※壁厚190以上の耐力壁でD13以下の縦筋はOK
なので、下階の梁を打設する際に縦筋を所定の位置に精度よく配置しておく必要がある。
下図の左ではブロックが積まれていて重ね継手されているのかいないのか分からない。
下図の右では梁内で重ね継手されているようだけど、ちゃんと重ね継手長さが取れているか不明。
なので、梁を打設する前に縦筋がきちんと配置されていて定着が取れているか確認しないといけない。
4.充填部材 これはモルタルかコンクリのどちらかってこと?
そうそう
交差部はコンクリート
開口部の周りの端部もコンクリート。
縦目地はコンクリートかモルタルを使用となっている。
なので、交差部の縦充填部でモルタルを使用しているのはNGだよ
工事費には反映されないけど、監理にかなりの手間がかかりそうなのが分かったよ。
特に2のコンクリ充填の確認。これはかなり手間がかかりそう・・・
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